患者とのコミュニケーションは看護の仕事をしていくうえでとても重要です。患者は病気で不安な気持ちを抱えています。看護師に対して時に理不尽な態度をとったり、怒りや不満をぶつけてくることがあるでしょう。そんな時、つられて感情的になってはいけません。看護師はいつでも冷静な態度でいる必要があります。理不尽な感情をぶつけられても、おおらかに受け止める心の広さが大切です。看護師に受けてもらうことで、患者は不安を解消することができ、態度も柔らかくなるでしょう。患者との円滑な人間関係を築くうえで重要なのは、常に相手の立場に立って物事を考えることです。相手の立場に立つことによって、細やかな気配りができるようになります。そのことが患者の入院生活の辛さを和らげ、心穏やかに入院生活を送ってもらえるようになるのです。
患者と医療従事者の間にはしばしば認識のずれがあります。例えば、「検査まで飲食禁止です」と看護師が伝えたとしましょう。その時、患者はガムや飴は飲食に入るのか、水は飲んでもいいのかと疑問に思ってしまいます。「ガムや飴を含む飲食は禁止です」「水も飲んではいけません」というように細かく伝えることが大切です。患者に正確にわかりやすく物事を伝える能力と同様に、患者が何を望んでいるのか、何を言いたいのか正確に聞き取る能力も必要です。そのどちらかが欠けてしまっては、潤滑なコミュニケーションはとれません。模擬患者を相手にロールプレイを行ったり、他の看護師の意見を聞いてコミュニケーション能力を磨きましょう。